【イベントレポート】「2020年 起業進化論~新たな時代のビジネスのカタチ~」INTILAQハウスレクチャーシリーズ vol.18

【イベントレポート】
『2020年 起業進化論~新たな時代のビジネスのカタチ~』
INTILAQハウスレクチャーシリーズ vol.18

 

5月23日、INTILAQハウスレクチャーシリーズvol.18が開催されました。
今回のテーマは、『2020年 起業進化論~新たな時代のビジネスのカタチ~』。

今、テクノロジーの進化と経済社会の進化にあわせて、世界の起業シーンで新しい取り組みが起こっています。一体、2020年時代の起業モデルとは、どんなものなのでしょうか?レポートをお届けします!

一般社団法人ソーシャル・デザイン 長沼氏による基調講演

まずは、一般社団法人ソーシャル・デザイン代表理事長沼氏による基調講演から始まりました。世界中の起業モデルから、起業環境の変化や起業の重要性についてお話いただきました。

《ゲストプロフィール》
長沼 博之 様
一般社団法人ソーシャル・デザイン代表理事
イノベーションリサーチャー/経営コンサルタント

近未来の社会や次世代ビジネスのトレンドを紹介するメディアSocial DesignNewsファウンダー。世界の先端の動きを追いかけながらコンサルティング、講演、執筆、事業経営を行う。AI&ロボティクス、シェアリングエコノミー、次世代ビジネスモデルや働き方等についてテレビや雑誌からの取材多数。NHKクローズアップ現代「“仕事がない世界”がやってくる!?」もプロデュース。著書に「ビジネスモデル2025」「ワーク・デザイン これからの〈働き方の設計図〉」がある。

起業までの経緯は?

小学生時代、父の会社が倒産するという出来事を体験し、幼いながら「経済とはなにか」「成功や失敗とは何か」を考えるようになったという長沼氏。高校時代にはすでにビジネス書を読みあさり、大学時代にはビジネスコンテストに参加したり、ビジネススクールへ通ったりしていたそうです。

しかし、21歳の時、長沼氏に大きな衝撃が訪れます。それは、ある上場企業の社長と直接お話する機会があったときのこと。社長から、「仕事や事業とは、商品でも戦略でもない。”生きる哲学”をぶつけ続けることこそが働くということだ」と言われたそう。

当時の長沼さんは、そのような考え方をしたことはなく、かなり衝撃を受けました。それから、「自分がどう生きたいか、どう働きたいか、いかに自分を人生をデザインしていくか」勉強するようになったとのことです。

その後、会社員としてコンサルティングの仕事をしていましたが、2008年のリーマンショックを受けて、今の経済システムが10年20年先には続いてかないと身をもって実感。より大きな視点からビジネスや事業モデルを考えるため、今の一般社団法人ソーシャルデザインを立ち上げました。

起業が当たり前の時代へ

「すでに起業している人、起業を検討している方はいらっしゃいますか?」

と会場へ質問した長沼氏。会場の半分以下の参加者が手をあげられました。

日本は、アントレプレナーシップ精神や起業家が少ない国ですが、これから誰もが起業家として、もしくはイントレプレナーとして働く時代に突入するのは確実。今手をあげなかった人も起業への意識を持って欲しいとのこと。

なぜかというと、サラリーマンの全盛時代が終わり、次のフェーズに移っていく時代に突入している、つまり、起業家精神を持たないといけない時代に入ってきているからです。

その背景として、ロボットやAIなどテクノロジーの進化、超長寿社会、経験の劣化、事業の短命化、完全自動化などの影響があります。

例えば、アメリカでは一人ひとりが起業する意識を持つようになっています。警備員など、様々な仕事がAIやロボットによって代替されていくことを認識しているからです。

そのため、Airbnbuberなどで起業家意識をもった人々が収入を得るようになってきており、平均で15%収入をアップさせていると言うデータもあります。

つまり、会社に勤めながら一歩踏み出していく人たちが増加しており、日本もこれからそのようになっていくことが予想されるとのことです。

起業のハードルは高い?

「とはいえ、起業するって敷居が高いですし、怖いですよね。私もそうでした。しかし、皆さんに認識してほしいのは、テクノロジーコストはどんどん下がっているということ。これを味方につければ、その怖さを最小限にすることができるのです。」と長沼氏。

今、新しく職業が生まれ来る、職業創造期であるとのことです。

例えば新しい職業として、確実に収益をあげられる自伐型林業や、営業に特化したクラウドソーシングをする”インサイドセールスマン&ウーマン”、民泊や民旅オーナーなどが挙げられます。このように、新しい職業を生み出すことは、新しい事業を生み出すことにつながります。

「本業を持ちながら、パラレルキャリアを実現すれば、リスクを最小限に挑戦できる時代です。自ら職業を開発したり、パラレルキャリアで起業したり、退職なき超長寿社会を希望を持って働き続けていきましょう」と提案しました。

長沼氏からのメッセージ

基調講演の締めくくりとして、長沼氏が今回伝えたかったことは以下の通りとのことです。

・今後、充実した人生100年時代を生きていくために、”退職”という概念はなくなり、アントレプレナーシップを持った起業が当たり前になっていくこと
・通常のスタートアップは敷居が高くて気負いしてしまうが、みんながみんならしく起業できる環境は今世界的に整えられていること
・せっかくINTILAQのような起業をサポートする環境があるので、ぜひ活用をしてほしいこと

長沼氏が話し終わると、大きな拍手で基調講演は締めくくられました。

トークセッション

「基調講演ですごい話を聞いたけれど、これをどう自分に当てはめていくかもやもやしている方も多いのではないでしょうか?」と、モデレーターの竹川氏。トークセッションスタートです。

《モデレータープロフィール》
竹川 隆司
一般社団法人IMPACT Foundation Japanエグゼクティブ・ディレクター

国際基督教大学卒業。野村證券株式会社勤務ののち、野村ロンドン、フィルモア・アドバイザリー執行役員を経て、2011年4月、Asahi Net International, Inc.をニューヨークに設立。同社の代表取締役社長として、大学向け教育支援システム事業のグローバル化を推進。2014年に帰国後は、現職のほか、宮城県唯一のフルマラソン大会である「東北風土マラソン&フェスティバル」の立ち上げと運営、ベンチャー企業の取締役なども務める。2006年ハーバード・ビジネス・スクールMBA。

トークセッションでは、基調講演ゲストの長沼さんに加えて、仙台にて新しく実験機械のシェアビジネスを立ち上げた古谷さんをゲストにお迎えし、会場の皆様とのQ&Aセッションなども含めて、議論を深めていきました。

その前に、まずはゲストの古谷氏から自己紹介いただきました。

《ゲストプロフィール》
古谷 優貴 様
Co-LABO MAKER 代表取締役 /
株式会社C&A 主任研究員 /
東北大学工学研究科博士課程

盛岡出身。大学時代を仙台で過ごし、材料系の研究に没頭(修士2年間で主著論文8本執筆)。2011年より昭和電工株式会社にて、パワー半導体結晶(SiC)の研究開発・事業立ち上げに従事。視野を広げるために2015年に始めたアイデア投稿で多数受賞。第2回MVPアワードにて最優秀賞を獲得した実験機器・技術のシェアリングプラットフォーム「Co-LABO MAKER」の立ち上げに注力している。第1回BRAVEアクセラレーションプログラムに参加した後、2017年2月より株式会社C&A(東北大学発ベンチャー)に所属し、4月より現職。TECH LAB PAAK第9期生。

古谷氏の現在のキャリアは以下の通り。いかにパラレルな働き方をしているかがわかります。
・実験機器・技術のシェアリングプラットフォーム「Co-LABO MAKER」代表
・東北大学発ベンチャー「株式会社C&A」研究員
・東北大学研究室博士課程学生
・2児のパパ

4月に設立した「Co-LABO MAKER」では、シェアリング事業を行っている古谷氏。Airbnbの実験機器・技術版で、持つ人と使いたい人をつなげます。

このように起業した古谷氏ですが、最初から起業など考えていなかったそうです。学生のころから研究好きだったこともあり、化学メーカーに就職。半導体のR&D・事業立ち上げを経験しました。

しかし、学生結婚だったこともあり、仕事と家庭優先の生活で、自分の時間をつくれなかったそう。「このままではアイデンティティが喪失してしまう」と危機感を覚え、小さく始めたのが、300文字のアイディア投稿。すると意外と通用し、賞をとりながらプレゼンでも優秀賞、特別賞を受賞し、MVP(検証可能な最低限の製品)のアワードで最優秀賞を受賞し、事業化を決断するまで至ったそうです。

自分が課題に思うことに対するサービスを提案してみよう、という軽い気持ちからスタートしましたが、検証を進めるにつれて重要性を改めて実感し、使命感や志が芽生えてきたとのこと。その結果、今仙台で起業家という人生を歩み始めているそうです。

古谷氏の自己紹介を終え、モデレーターの竹川氏から古谷氏に質問です。

竹川「古谷さんの壁はなんでしたか?それをどうやって乗り越えましたか?」

古谷「壁ですか…嫁ブロックとよくいいますが、どう家族を守るか、ということですかね。もともと研究好きなので仕事も楽しかったのですが、せっかく自分が解決したいことを解決できるチャンスがあったので、やらないわけにはいかない、と思いました。

ただ、もともと起業する予定はなかったので、家族、特に嫁を安心させ、納得させる手段が必要で、それが大学ベンチャーに勤めながら起業する、というパラレルキャリアだったのです。そのため、心配されていたお金の問題も大丈夫でした。」

続いて、会場からも質問を受け付けました。

参加者「志を持った経緯と、持つために、あるいは、気づくためにはどうすればいいかを教えてください。」

古谷「自分自身、最初から志があったわけではありません。ただ、自分はこういう課題を感じていると思っていたことが、それとは関係ない場面で合致しました。それで自分の志に気づき、行動したくなりました。行動するうちに、「とりあえずやってみよう→これはやらなきゃいけないのではないか→やってみたい→絶対にやろう」と気持ちが変化していきました。情熱や志は行動することによって醸造されていき、見えてくると思います。そのため、最初から情熱100%である必要はないと思っています。」

他の参加者からも質問です。

参加者「起業というと首都圏の方が盛んなイメージがありますが、東北の起業環境はいかがですか?」

古谷「確かに、東京の方がレベルが高く、環境がいいです。でも、私はあえて東北に来ました。東北大があるので研究開発ができますし、そこまで大きい企業もないです。ものによっては東北の方が起業しやすいと思います。」

長沼「東北では、まちのため、雇用を生み出すためなど、ミッションをもとにした起業が多いです。これは、震災後にハーバードビジネススクールの学生が東北に学びに来ることから、世界最先端だと思っています。

私は、”テクノロジー”と”アイデンティティ”、”公益性”が合致したところにミッションドリブンの新たな経済が生まれてくると思っています。まさに今の東北では、使命感によっていつの間にか体が動いていた、みたいな起業家が多いと思います。そのため、まさに東北は21世紀の最先端だと思います。」

最後に、お二方から”おこす人”や”おこそうとする人”へのメッセージをいただき、トークセッションは締めくくられました。

新しいビジネスのカタチに加えて、東北の可能性も感じられるアツいイベントになりました。

INTILAQハウスレクチャーシリーズは、これからも続きます。次回もお楽しみに!

 

ライター:INTILAQ Apprentice 島越 彩香

 


 

起業家の方・これから新しいことを始めたい方に新しい視点をお届けする「INTILAQハウスレクチャーシリーズ」をはじめ、INTILAQでは各種講演会・講座・セミナー・プレゼンテーション・ワークショップ等様々なイベントを開催しております。

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