【イベントレポート】「~産学官が協働する新しいプラットフォームで別次元の産業構造を創造~  新進気鋭の起業家が語る新事業創出の極意」仙台ソーシャルイノベーションナイト(INTILAQハウスレクチャーシリーズvol.21)

2017829日(火)、ゲストにリンカーズ株式会社代表取締役社長の前田 佳宏氏をお迎えして、~産学官が協働する新しいプラットフォームで別次元の産業構造を創造~  新進気鋭の起業家が語る新事業創出の極意」と題したレクチャーを開催いたしました。

前田氏は、大阪大学工学部から京セラ、野村総合研究所を経て 20124Distty株式会社(現リンカーズ株式会社)を設立。
同年
7月より東北経済連合会東経連ビジネスセンターマーケティング支援チームナビゲーターに就任。
14回日本イノベーター大賞優秀賞受賞、第1回ニッポン事業構想大賞受賞など、現在拡大期にある会社の起業家です。

産学官が協働する新しいプラットフォームを形成し、イノベーションが頻繁する別次元の産業構造を創る」をミッションに掲げるリンカーズ株式会社は、モノづくり業界にて大企業と中小企業のマッチングによる産業創出を目指して、宮城県仙台市で誕生した新進気鋭の企業です。
これまでのご自身の歩みをたどりつつ、モノづくり業界の現状や、特に東北(地域経済)が抱える課題、新事業の創出についてお話いただきました。

失敗から生まれた。

野村総研で6年、総合電機メーカーの経営戦略立案にたずさわりました。やりたい事ができてとてもいい会社でした。そんな中、東日本大震災が起こったこともあり、「日本の産業を変えたい」という意思から、独立起業しました。

最初は「Distty」という、企業のバリューチェーン(原材料の調達から製品・サービスが顧客に届くまでのフロー)を公開するSNSを開発しました。ところが全く反応がなく、2ヶ月で終了する事に致しました。

次に取り組んだのは、ウェブ展示会<e-EXPO>です。製造業は幅広い企業が関わっています。それを徹底的に分析し、WEBに公開するというもので、登録企業を増やすため、東北の40以上の組織に全部飛び込みで営業をしました。ほとんどが門前払いでしたが、東北経済連合会だけが興味を持ってくれました。それがきっかけとなり、200人のコーディネーターと連携、600社以上を紹介していただく事になりました。
しかし、事業をやっていく中で、「製造業のバリューチェーンは、大手企業の許可が必要であったり、競業にばれることを恐れるため、技術は
webに出しにくい」ということがわかってきました。この結果を受け、次のステップへと移ることにしました。

「ウェブ×人のプラットフォーム<Linkers>

2度の失敗から、コーディネーターの信用など、暗黙知情報が製造業のバリューチェーンにおける最重要ポイントであり、人が間に入らないとマッチングが難しいことがわかりました。しかし、製造業で製品開発をする場合、「ラストワンピース」が自社でできないために開発がストップする事態をこれまでの経験で何度も目にしていましたし、オープンイノベーションが重要になってくることがわかっていたので、これまでの失敗で得た200人の繋がりを活用することにしました。

リンカーズのマッチングシステムは段階的に絞り込みを行っていきます。オープンイノベーションは社外の会社と協業することをいいますが、探している側も探されている側も機密情報を出したくない。そこでセミオープン→セミクローズド(10社)→フルクローズド(2-3社)→決定というプロセスで、場をうまくコントロールしていくことでこの問題を解決し、功を奏しました。
現在社員は
66名ですが、30名はここ半年で採用した人材です。また、現在は国内2,000以上のコーディネーターに登録いただいております。

自社オープンイノベーション推進<LME(リンカーズマッチングエンジン)>の展開

製造業のオープンイノベーションは、情報が暗黙知化していることが問題であるということから、現在、これを標準化してプラットフォーム化する取り組みを進めています。現在7-8割が定型化したプロセスをロボットがやってくれる状態です。これは大手企業・金融機関の生産性最大化を目的にしたプラットフォームです。つまり自社内でコーディネーターを置き、既存取引先から調達部門が必要な技術を探すというプロセスを自動化するのです。内部にあるリソースと外部にあるリソースがはっきりすることで、オープンイノベーションはむしろ活性化します。また、大手企業が技術を探すだけでなく、大手企業に中小企業が自社を売り込むこともできます。最終的にはこれを最適化・自動化するAIを開発することへつなげていきたいと今、チャレンジしています。

未来の起業家の皆さんへ

常に前向きなことを言わないと人はついてきてはくれません。また、関わる人が多くなるほど情報は伝わらなくなります。ミッション/ビジョン/ポリシーを何度も伝え、皆が同じ方向を向ける環境を作っていくことが重要です。

ディスカッション/質疑応答

ディスカッションでは前田氏の学生時代に話が及びました。「負けず嫌いだった。それは今の自分に影響している。」と前田氏。徹底したリサーチを続ける根気にも繋がっているとのことでした。

© 2017 INTILAQ