高齢化の進展などにより医療ニーズが高度化、多角化する一方で、地方の深刻な医師不足は年々高まって来ています。東北地方もその例外ではなく、人口10万人に対する医師の数は、2014年のデータで全国平均233.6人に対して、東北6県全てそれを下回っています。さらに市町村レベルで見ていくと、宮城県内最少となっている登米市は、人口10万人に対する医師の数が実に113人と、全国平均の半分以下の数字となっているなど、東北地方での医師不足は深刻な状況です。
そんな中、ICTを活用した遠隔医療や、新しい働き方の提案も含めた在宅診療など、地域医療の分野で新たなイノベーションも生まれ始めています。この輪が広がっていき、地域医療のあり方が変わっていくことを願いつつ、今回の仙台ソーシャルイノベーションナイトでは、SDGsの中の「ウェルネス」、特に地域医療に焦点をあてます。日本の地域医療全体の課題に向き合いつつ、東北や全国で生まれ始めた新たなイノベーションの事例に触れ、これからの地域医療について共に考える機会にしたいと考えています。