2022年5月9日
報道関係者各位
一般社団法人IMPACT Foundation Japan (INTILAQ)
代表理事 竹川 隆司
~東北の社会起業家が生み出してきたソーシャルインパクトを可視化~
「SOCIAL ENTREPRENEURS IMPACT REPORT in TOHOKU」公開について
一般社団法人IMPACT Foundation Japan(以下、「INTILAQ」)は、ICHI COMMONS 株式会社(代表取締役:伏見崇宏、以下「ICHI COMMONS」)と連携し、東北の社会起業家計32名を対象としたアンケートおよびインタビュー調査を行い、その結果についてまとめた『SOCIAL ENTREPRENEURS IMPACT REPORT in TOHOKU』(東北の社会起業家インパクトレポート、以下「本レポート」)を制作しました。
INTILAQでは2017年より仙台市主催の「SOCIAL INNOVATION Accelerator(SIA)」プログラムを企画・運営し、これまでに東北各地から集まったプログラム卒業生は60名にのぼります。本レポートでは、このSIA卒業生の一部と「ココロイキルヒトリーダーズ」(詳細は以下「調査目的および対象者」参照)を加えた計32名を対象に、ICHI COMMONSが中心となってアンケートおよびインタビュー調査を行い、その結果をまとめました。東北の社会起業家たちの取り組みやこれまでの事業を通じたインパクトに関してまとめた調査報告は、今回のレポートが初めてです。
SIAプログラム:https://www.social-ignition.net/sia
本レポートの公開が東北地域、ひいては日本、世界で活動されている社会起業家の活動の意義と事業効果を見える化し、多面的な支えとなることを期待しています。
レポートは、下記リンクから全文ダウンロードの上、お読みいただけます。
(2023年5月29日。2023年度バージョンに改訂しました。)
https://drive.google.com/file/d/1t_oL-ZciDsXvmPR_JTwhBVhyR1y40Lmr/view?usp=sharing
■調査目的および対象者
本レポートでは、ココロイキルヒトリーダーズ※1とSIA卒業生※2 へのアンケートとインタビューに基づき、それぞれの活動分類とその領域におけるインパクトを独自の観点から見える化しています。
東北のココロイキルヒト・コミュニティの起業家がどのような状況にいる、どんな人たちに対して、事業を通じてどのような影響を及ぼしたいのかについて、各地で生み出しているつながりとイノベーションについて、定量的かつ定性的に調査し詳細に取り上げています。
■調査結果の概要
「数字で見る東北の社会起業家」では、それぞれの社会起業家が解決をめざす社会課題について複数回答で重要視している課題の割合を示しています。複数回答といたしました理由は、社会課題が画一的・個別的なものではなく、有機的に結びついていると考えられるためです。ココロイキルヒトリーダーズと SIA 卒業生の傾向を見ると、前者が復興と産業発展に重点を置かれており、後者は多様性と働き方に取り組まれている割合が高いことが見受けられます。
定量的な評価においては、ココロイキルヒトリーダーズ、SIA 卒業生ともに、官公庁・地方自治体と密に連携して公的資金を活用した社会的事業の展開が行われていることがわかります。補助金・助成金に対する民間資本の割合は、SIA 卒業生で高くなっています。これは、ココロイキルヒトリーダーズの活動歴(平均 8.9 年)が、SIA 卒業生(平均 4.5 年)の倍であることを考えると、近年、より一層の民間資本がソーシャル・イノベーションに投下される傾向にあると捉えられます。
東日本大震災から 11 年経ち、被災地域に根差した地域資源の発掘・事業化を中心とした「復興」から、人口減少や少子高齢化など日本全体が抱える課題領域へと着眼点が移りつつあり、そうした必要性にも応じる形でイノベーションを起こそうと奮闘する社会起業家たちの変化も読み取ることができます。
※1 ココロイキルヒトリーダーズ
「ココロイキルヒト」とは、心意気(チャレンジ)、心生きる(感動する)など複数の意味を有する東北起業家を指したオリジナルのコトバです。東北各地にたくさんのココロイキルヒトがいますが、その中でも東北を代表する「ココロイキルヒト」としてINTILAQが独自に選定した方々を「ココロイキルヒトリーダーズ」と呼んでいます。
※2 SIA卒業生
2017年からスタートした仙台市主催、INTILAQ企画・運営の社会起業家支援・育成プログラム「SOCIAL INNOVATION Accelerator(SIA)」プログラムの卒業生。SIAは、社会を少しでも良くしていきたいというあなたの想いを、Vision/Missionという形で言語化し、メンターが伴走しながら持続可能な形で事業計画に落とし込み、各事業計画の実現可能性を高めていくプログラムです。
■レポート内容より抜粋
「2011 年の東日本大震災から、一歩ずつあゆみを進めてこられた東北の皆さまの軌跡が、この度ソーシャル・インパクト・レポートという形で実を結びましたこと、謹んでお慶びを申し上げます。(中略)めまぐるしく変化する世界の中で、東北で生きる社会起業家の皆さまが世界に対して提供できるのは、まさしく「賢い資本主義」の経営手法と本質的なソーシャルイノベーションの在り方だと信じております。皆さまの益々のご活躍とご発展にご期待申しあげ、お慶びと奨励のことばとさせていただきます。」
竹内 弘高
ハーバード・ビジネス・スクール教授/国際基督教大学理事長
「(前略)仙台市と共に取り組んでいるスーパーシティ構想では、技術中心の課題解決から人間中心の課題解決に移行することを掲げています。社会と科学の接点が拡がり、それぞれの立場で、価値を最大限発揮できる役割を全うすることによる共創の実現が理想です。そのためには、市民の皆さんの目線が最も大切となります。社会起業家の皆さまの活動を大学が後押しさせていただくことで大学のサイエンスを市民につなげていき、このスーパーシティ構想を通じて共に社会変革を起こしてパートナーとして、これからもご一緒させていただけることを心より楽しみにしております。」
青木孝文
東北大学 理事・副学長(企画戦略総括担当・プロポス・CDO)
■一般社団法人IMPACT Foundation Japan(INTILAQ)について
IMPACT Foundation Japan は、次世代グローバルリーダーの育成を目指し、2010年に設立された法人で、これまでに TEDxTokyo や H-Lab のような革新的なプログラムの企画、運営を行ってまいりました。
カタールフレンド基金※より、起業家支援プロジェクト「INTILAQ(インティラック)」への支援を受け、東北地方の沿岸被災3県(宮城、岩手、福島)にて、「Catalyze the venture ecosystem」、つまり新しいビジネスやサービスが生まれ育って行くエコシステムを創造することを目標に、その「場」となる「INTILAQ東北イノベーションセンター」の運営と、「コンテンツ」となる様々なイベント、ワークショップ、メンタリングサービスなどの企画・提供を行なっています
・INTILAQ(インティラック)URL:https://intilaq.jp/
■ICHI COMMONS 株式会社について
ICHI COMMONS 株式会社(読み : イチ コモンズ、代表取締役:伏見崇宏)は、セクターを超えたひと・お金・もの・情報の好循環を促し、社会課題の解決をめざすマッチングプラットフォーム『ICHI. SOCIAL』を提供しています。
・ICHI.SOCIAL URL:https://ichi.social/
■お問い合わせ先
・一般社団法人IMPACT Foundation Japan (担当:本多・神尾)
メール:info@intilaq.jp 電話 022-357-0543