2016年より仙台市主催で開催されている「仙台ソーシャルイノベーションナイト」。この度、途上国を中心に社会起業家を投資で支援するNPO法人ARUN Seedと連携し、「サステナブルビジネス・シリーズ」と題し、地域・社会課題・ソーシャルビジネスをキーワードに、全6回のシリーズで開催します。
第1回目となる今回のテーマは「地域のソーシャルスタートアップから世界を変える」です。10年以上に渡りアジア・アフリカ等途上国の社会起業家を支援してきたNPO法人ARUN Seed代表理事の功能聡子さん。仙台市においてソーシャルスタートアップ支援はじめ起業家支援の取り組みを推進してきた白川裕也さん。ソーシャルスタートアップ支援に民間・行政の立場から関わるおふたりのゲストをお招きし、ビジネスで課題解決に取り組むことの重要性、地域だからこそ起こせる社会的インパクトなど、ソーシャルスタートアップの可能性を熱く議論していきました。
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■登壇者
NPO法人ARUN Seed代表理事/ARUN合同会社代表 功能聡子さん
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国際基督教大学、ロンドン政治経済大学院卒。民間企業、アジア学院を経て1995年より10年間カンボジアに在住。NGO、JICA、世界銀行などの業務を通して、復興・開発支援に携わる。カンボジア人の社会起業家との出会いからソーシャル・ファイナンスに目を開かれ、その必要性と可能性を確信し2009年ARUNを設立。日本発のグローバルな社会的投資プラットフォーム構築を目指して活動している。
(主な表彰等実績)
SBIビジネスプランコンテスト優秀賞、エコジャパンカップ2010 環境ビジネスウィメン賞、第三回日経ソーシャルイニシアチブ大賞国際部門賞、国際基督教大学DAY賞(Distinguished Alumni Award)受賞。2016年 「Forbes Japan世界で闘う日本の女性55」に選出。「60分でわかる! SDGs 超入門」(2019年技術評論社)監修、「よくわかる開発学」(2022年ミネルヴァ書房)執筆。
(主な登壇等実績)
朝日新聞主催「SDGs著者に聞く」「イノベーション視点で考えるSDGsとアジア」登壇
日弁連主催「パンデミックとビジネスと人権」登壇
日本能率協会主催「経営革新塾」講師
J WAVE For Our Earth「今さら聞けないSDGsの基礎!」出演
JICA主催 課題別研修「日アフリカ・ビジネスウーマン交流セミナー:ファイナンスの新たな潮流・女性の金融アクセス課題の克服」講師
日本経済新聞社主催「日経ビジネスイノベーションフォーラム:社会的課題解決への多様なアプローチから見るソーシャルビジネス」登壇
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仙台市 経済局 産業政策部 産業振興課 創業支援係 係長 白川裕也さん
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秋田県大館市生まれ。東北大学卒。東北の経済を活性化させるような仕事がしたいという思いで仙台市役所へ入庁。2013年から起業支援施策の企画・運営を担当し、仙台市起業支援センター“アシ☆スタ”の立ち上げ、地方最大級の起業イベント「SENDAI for Startups!」や東北全域を対象とした広域アクセラレーションプログラムの実施など県域・市域を越えて起業家を産み育て、東北各地にその連鎖を広げ、大きなエコシステムを共創するために活動している。
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一般社団法人IMPACT Foundation Japan代表理事 竹川隆司
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国際基督教大学卒業。野村證券を経て、2006年ハーバードビジネススクールでMBAを取得。その後野村ロンドン勤務ののち2008年に独立、日米で主に教育テクノロジー分野で起業・経営。東日本大震災をきっかけに活動拠点を日本へ戻し、2014年「東北風土マラソン&フェスティバル」立ち上げ、2016年INTILAQ東北イノベーションセンター設立などを主導。現在、株式会社zero to one代表取締役、東北大学特任准教授(客員)なども務める。
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■基調講演①:仙台市のスタートアップ戦略と社会起業家支援の取り組み
はじめに、仙台市経済局 産業政策部 産業振興課 創業支援係 係長の白川裕也さんより、「仙台スタートアップ戦略」と、ソーシャルスタートアップ支援をはじめとする起業家支援の取組みの現状と課題についてご紹介いただきました。その後、ソーシャルスタートアップ育成・支援プログラム(SIAプログラム)の運営者として弊社竹川より今年で6年目となる同プログラムのこれまでとこれからについてご説明をいたしました。
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なぜ、“東北”で“起業支援”なのか?
仙台市では、「SENDAI Capital of Social Innovation」を掲げ、社会起業家が集まる東北の中心地(首都)にしたいと活動をしています。その背景にあるのが2011年の東日本大震災。震災を経て、東北全体として人口減少や地域コミュニティの衰退、防災対策など社会課題が顕在化してきます。課題先進地・東北ともいえる状況下、地域のため・社会のためと社会課題解決に向けてチャレンジをする多くの社会起業家が生まれました。仙台市としても、『社会起業家・ベンチャー企業(スタートアップ)・中小企業等、地域には多様な起業家が必要』との想いのもと、東北内の人のチャレンジを応援する“内発”と東北外の人のチャレンジを応援する/呼び込む“誘致”の2軸で支援施策を展開してきたといいます。
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仙台市における“起業支援”のこれまで
仙台市における“起業家支援”が本格化したのは2013年。起業啓発・促進イベントとして開催された「SENDAI for Startups!」が始まりでした。このイベントは年々参加者数を増やしており、初年度80名だったのが、今では3,000名もが集う地方最大級の起業イベントに成長してきました。その後、起業に踏み出す人を応援する拠点として「仙台市起業支援センター アシスタ」が2014年に開設。事業構想段階から起業後のフォローまで、起業家支援メニューをワンストップで提供し、毎年100件以上、過去8年間で800件を超える起業を支援してきました。2015年には、「INTILAQ東北イノベーションセンター」の起業家育成・支援プロジェクトが始動。ここでは、新しい会社を起こす起業家のみならず、新しいチャレンジを起こす人を“ココロイキルヒト”と呼び、学生や会社員など多様な属性の方々をハード・ソフトの両輪で支援をすることを目的に活動を。具体的には、本イベントのような実践者の想い・チャレンジを聞くトークイベントや、小中高大生向けアントレプレナーシップ醸成プログラム、社会起業家育成・支援プログラム(Social Impact Accelerator)等を実施しています。また、他方では、グローバルスタートアップ創出を目的に東北グロースアクセラレーター(TGA)を実施、スタートアップや中小企業の集中支援にも注力をしてきたとのこと。また、近年では、『“仙台”というフィールドを活用した社会課題解決』を進める試みも進んでいるということで、社会実装・実証フィールド提供の公民連携窓口の「クロス・センダイ・ラボ」や防災×IT関連事業創出を目指す「BOSAI-TECHイノベーション創出促進事業」等の取り組みをご紹介いただきました。
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仙台市における“起業支援”のこれから
2020年に「スタートアップ・エコシステム拠点都市」に選定された仙台市。拠点都市としての活動推進に向け「仙台スタートアップ・エコシステム推進協議会」を設立。東北圏の産学官金様々な主体が参画し、『仙台・東北から世界を変える「スタートアップ」が生まれ、世界中からソーシャルイノベーターが集う都市』を目指し、スタートアップ支援活動を行なっています。とはいえ、スタートアップと言っても主体ごとに様々な捉え方があると白川さん。団体としての方向性(目線)を揃えるべく「仙台スタートアップ戦略」を作成。大学技術シーズの事業化・産業化と社会課題解決に向けたチャレンジ促進の2軸を通じ、スタートアップ(*1)を創出していくと展望を語っていただきました。
*1 創出を目指すスタートアップ像
<スタートアップ像①>
社会課題の解決を第一義に展開し、経済的持続性と社会インパクトを備えたスタートアップ
<スタートアップ像②>
①のうち特に急成長・急拡大を志向し、地域を超えたより広い市場を目指すスタートアップ
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―続いて、ソーシャルスタートアップ育成・支援プログラム(SIAプログラム)の運営者として弊社竹川より今年で6年目となる同プログラムのこれまでとこれからについてご説明をいたしました。
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「Social Impact Accelerator プログラム(SIAプログラム)」について
社会を少しでもよくしたいという想いを持った方を6ヶ月間集中的に伴走サポートするSIAプログラム。2017年からの5年間で61者の社会起業家を輩出してきました。プログラム6年目となる今年度(2022年度)からは、社会起業家の事業フェーズに応じた支援ができるようVisionコースとImpactコースの2コース制(*2)にて実施。各コース6者の社会起業家が採択されプログラムが行われています。
*2 VisionコースとImpactコースについて
各コース対象者は、下記の通り。その他詳細は、webをご覧ください。
<Visionコース>
何らかの社会課題を、ビジネスを通じて解決したいという強い想いと、アイディアをお持ちの方向けのプログラム。
https://www.social-ignition.net/sia-vision
<Impactコース>
日本全国・世界各地に、自らが仕掛けるソーシャルイノベーションを拡げたいという強い想いをお持ちの方向けのプログラム。
https://www.social-ignition.net/sia-impact
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■基調講演②:イノベーションが拓くソーシャルビジネスの未来
つづいて、NPO法人ARUN Seed代表理事/ARUN合同会社代表 功能聡子さんより、ソーシャルスタートアップは地域課題にどう取り組み、事業としての継続性を担保しつつ、いかに社会的インパクトを拡大していくのか、これまで出会ってきた世界の起業家の事例も交えつつ地域から始まる社会変革の可能性についてお話しいただきました。
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功能さんのこれまでの歩み
1995年にカンボジアに赴任し10年間に渡り、国際協力に係る事業(農村の保健医療事業などなど)に従事されてこられた功能さん。赴任当時のカンボジアは、1970年代からつづいてきたカンボジア内戦が終焉を迎え民主的な社会となっていく初期でした。国内人材の多くは国際機関やNGOへ就職、戦後復興に向けた立て直しが行われていきました。それから10年、2005年頃になると、カンボジアの戦後復興は進みビジネスの動きが活発に。人材の動きも戦後復興期の国際機関やNGOからビジネスセクター(通信、銀行、不動産など)へと変移していきました。そして、時を同じくして、社会課題をビジネスの力で解決をしていこうとする“社会起業家”の萌芽が見られるようになってきたのだそう。こうした“社会起業家”の存在を見ていく中で、これまで国際協力(開発・援助)に携わる中で抱いてきた「支援をしても現地の人の自律心や主体性が生まれてこないというジレンマ」に対して、ビジネスの力(=“社会起業家”支援のアプローチ)が効果的なのではないかと可能性を感じたと功能さん。2009年にARUN合同会社を、2014年にNPO法人ARUN Seedを設立します。
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ARUNの取り組みについて
“ARUN”はカンボジア語で「夜明け」を意味する言葉。ここに、起業家の希望とエネルギーを擬え名付けたといいます。そして、「地球上のどこに生まれた人も、ひとりひとりの才能を発揮できる社会」をvisionに掲げ、途上国の社会起業家と日本の投資家(企業・個人)とを繋ぐ社会的投資プラットフォーム構築を目指し活動を行っています。これまでの投資実績としては、151万ドルの投資を実行。投資先は、カンボジアのほかインドネシア、インド、バングラデシュの4カ国10社に及びます。
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アジアのソーシャルスタートアップとイノベーション
投資事業を通じて、様々なアジアのソーシャルスタートアップとの関係を持ってきた功能さんに、アジアにはどのようなソーシャルスタートアップが生まれているのか実際の投資先を例にご紹介いただきました。
【事例1:stellapps [インド]】
IoT技術を活用した酪農セクター向けのデバイスの提供を通じ、酪農セクター全体としての生産性向上及び、酪農セクターの大多数を占める小規模零細農家の生活向上を目指す。
【事例2:Du Anyam [インドネシア]】
農村部の女性の貧困問題解決を目指すビジネス。農村部の女性たちが従来から制作をしていた手工芸品の質を向上させ、アプリを通じて顧客と農村部の女性たちを繋ぎ、販売及び生産管理のプラットフォームを構築することを目指す。
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ソーシャルスタートアップで未来を拓く!
功能さんは、ソーシャルスタートアップの重要なテーマとして、「何のために、何をするのか?」「誰のために、どのように事業を行うのか?」「インパクトを生むのか?」があるといいます。最後に途上国のソーシャルビジネスの7つの特徴」をご教授いただきました。
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<社会的企業が行うビジネスの7つの特徴>
1)サステナビリティをミッションとした事業
→持続可能な社会をミッションに据えビジネスを組み立てていること
2)対象は社会的に弱い立場に置かれている人
→儲かりそうな属性ではなく女性・農民・難民など社会的弱者を対象としていること
3)巨大なマーケット
→とはいえ、マーケットは巨大であること
4)デジタルイノベーション
→複雑かつ難解な課題に対してデジタルを効果的に活用していること
5)ビジネスモデルのイノベーション
→ハイブリッドなビジネスモデル、原資の分散などに取り組んでいること
6)多様なステイクホルダーとのパートナーシップ
→ビジネスモデルのイノベーションが可能となるようなパートナーシップを構築していること
7)インパクトの創出
→社会的なインパクトをどのように創出していくのかを考えられていること
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■トークセッション:地域のソーシャルスタートアップから世界を変える
その後に行われたトークセッションでは、『地域のソーシャルスタートアップから世界を変える』をテーマに、仙台市(白川さん)、NPO法人ARUN Seed(功能さん)、そしてINTILAQ(竹川)の3者が登壇。ビジネスで課題解決に取り組むことの重要性、地域だからこそ起こせる社会的インパクトなどを切り口に、仙台・東北におけるソーシャルスタートアップの可能性について議論をしていきました。
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“仙台・東北”のソーシャルスタートアップが“世界”を変える!?
『仙台・東北から世界を変える「スタートアップ」が生まれ、世界中からソーシャルイノベーターが集う都市』をゴールに掲げる仙台市。なぜ、“仙台・東北”から“世界”を見据えた活動しているのか。また、ゴールに向けて活動を推進していく上での困難を伺いました。
【白川さん】
「11年前に震災があったこと。そしてその際に世界から多くの支援をいただいたこと。このことに対する感謝の気持ちは、私個人はもちろん、地域としても持っている、土壌があるということが1つ。その上で、震災を経て仙台・東北は世界的にみても課題先進地と呼べるような状況となったわけです。課題先進地である仙台・東北から課題解決に寄与しうるロールモデルを輩出できれば、日本・世界の課題解決にも寄与していけるのではないか。こうした想いがあり2013年から起業支援施策を展開してきたわけです。実際に、現在になってSDGsやESG、ソーシャルといったことに注目が集まっていることを見るにつけて、やはり課題先進地として先頭に立って走ってきていたんだなと実感を持っています。」
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“仙台・東北”のソーシャルスタートアップが直面する壁とは
課題先進地として、ソーシャルスタートアップ支援に注力をしてきた仙台市の取り組みを通じ、多くの社会起業家が輩出されてきました。ソーシャルスタートアップが直面する課題としてはどのようなものがあるのでしょうか。行政と実践者双方の視点からのお話を伺いました。
【白川さん】
「難しさがあるということも事実です。社会課題解決を考えたときにビジネスとしての持続可能性を見出せるかという点は1つの壁だなと。一般のビジネスと違って、お金の出し手と払い手が違うケースもままあるわけです。この難しさがあるからこそ社会課題はまだまだ社会に残り続けているのではないかと思います。そして、この難しさを乗り越えていくためにはエコシステムが重要である、それも内側だけで閉じず外の力も混ぜながら作り上げていくという意識を持って悩みながらも活動を続けているところです。」
【竹川】
「社会起業家と支援者双方の観点を持ちお話させていただきます。もちろん、苦労や大変さはあると思いつつ、社会課題解決に向けて熱い想いを持って活動をしている当事者としてはそこまで大変と思っていないケースも多いのではないかなと。ブレない想い(vision)を持ち社会課題に対峙していくという土台が大切と考えています。成長している社会起業家のマインドとしては、“課題”ではなく“機会”と捉えている向きがある気がしています。自身の事業を通じてある課題の当事者を笑顔にできれば、より多くの課題の当事者を笑顔にしていけるという可能性があり、それが自身のvisionにもつながってくる。すなわち“機会”ですよね。日々は大変なんだけど総じて楽しんでいるということなのだろうと。そう考えると仙台・東北は、“課題先進地”でもあり“機会先進地”とも言えるわけです。」
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“仙台・東北”ד首都圏”エコシステム創出に向けて 〜“仙台・東北”の魅力とは?〜
「SENDAI Capital of Social Innovation」を目指し、エコシステムを創っていくなかでは、域内外の力が必要です。多くの主体が“仙台・東北”に関わりたいと思えるような、“仙台・東北”ならではの魅力と魅力を伝え共感を得て輪を広げていく上でのお考えを伺いました。
【竹川】
「仙台・東北”の魅力、まずは、近いことですよね。東京⇆仙台は1時間半。東北が域内・東京が域外という感覚はあまりなくて、東北も東京も1つの圏内だと思っています。私自身は、震災がきっかけとなり東北との関わりを持つようになりましたが、何かのきっかけを通じて、この地域ならではの魅力に気づくと、この地域に通うインセンティブが生まれますよね。次に、通う中で“人”のつながりが生まれてきます。“人”のつながりが出来てしまえばもう家族みたいな関係性になるわけです。『何かしらのきっかけに地域の魅力と人の魅力が合わされば第二の故郷となる。』これは私以外でも当てはまることではないでしょうか。そうして考えた時に大切なのは、『挑戦するフィールド』と『挑戦する仲間』が生み出され続けている状態で、各種の支援施策やエコシステム創出の意味はこの土壌を作るということにあるのではないかなと思います。」
【白川さん】
「エコシステムを創っていく上で大切なのは、やはり“人”だと考えています。11年前の震災の時も多くの方々が域外から仙台・東北に来て、内と外とが混ざり合い新たなチャレンジや起業家が生まれてきました。副業・兼業・プロボノなど様々な形で“人”が入って来てつながりを育む。これが大切であろうと考えています。」
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おわりに
最後に、お二人からメッセージをいただきました。
【竹川】
「私自身は、起業家として仙台・東北に関わっていますし、支援者としての立場としても仙台・東北との関わりを持っています。その立場からみて仕組みやフィールドは整ってきていると感じています。逆にまだまだ足りないのが想いを持って活動をする“人”の総量だと感じています。今回のイベントをはじめ様々な機会を通し、一緒に想いを持って活動をする仲間が集まってきたらいいなと感じています。」
【白川さん】
「私は、地元が衰退して元気がなくなってきていることに対して、何か出来ないものかと考える中で、環境を作ることをしようとの想いから仙台市役所へ入庁しました。この10年間、多くの皆さんのおかげで朧げながらエコシステムが見えてきたと感じています。とはいえ、まだまだ課題も多くあります。仙台・東北という地域に想いを持っていただける皆さんと一緒にエコシステムを創っていきたいです。ぜひ、仙台・東北と関わりを持っていただけますと嬉しいです。」
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エコシステムのキモは、“人”!
ぜひ、皆さんも「SENDAI Capital of Social Innovation」を目指し今後も様々な動きが出てくる仙台・東北に巻き込まれてみませんか。
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■今後のイベントについて
2016年より仙台市主催で開催されている「仙台ソーシャルイノベーションナイト」。この度、途上国を中心に社会起業家を投資で支援する特定非営利活動法人ARUN Seedと連携し、「サステナブルビジネス・シリーズ」と題し、「地域」、「社会課題」、「ソーシャルビジネス」をキーワードに、全6回のシリーズをお届けしております。今後開催する2〜6回目イベントについてご紹介します。
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#02 2022年11月14日(月)「SDGsビジネスと地域金融」
#03 2022年12月05日(月)「誰もが活躍する社会をイノベーションで築く」
#04 2023年01月31日(火)「ビジネスとサステナビリティ」
#05 2023年2月「社会的投資という新しい地平」
#06 2023年3月「SDGsビジネスはどこに向かうのか」
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各イベント情報は随時公開していきますのでぜひご参加ください!