このたび、
*起業体験ワークショップへ今後ご参加予定、ご検討いただいている保護者の皆さまへ
この記事の内容には起業体験ワークショップの内容を記載しています。
今後参加予定のお子様がご覧になると本イベントで学んでほしい、気づいて欲しいポイントが事前にわかってしまい、学びが少なくなる可能性がありますのでご注意下さい。
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イベントレポート
2020年1月19日(日)
寒空の下、朝から小学生のみなさんが元気よくINTILAQへ集まってくれました。
INTILAQ東北イノベーションセンター正面入り口です。
今回は22名の小学生のみなさんが参加してくれました。
ここで、起業体験ワークショップについて、概要をご説明します。
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1. 行事の名称
起業体験ワークショップ(小学4~6年生対象)
2. 行事の趣旨・目的
子どもたちが5人1組のチームに別れて仮想の会社を設立し、商品計画・事業計画作成・
資金調達・生産・販売・決算などの工程を通し、起業家マインドを学びながら本格的に
「働く」ということを体験するワークショップ。
3. 行事の概要
主催 仙台市・INTILAQ東北イノベーションセンター
後援 仙台市教育委員会
協力 日本政策金融公庫 / 七十七銀行
実施時間 9:00~18:00
実施会場 INTILAQ東北イノベーションセンター(仙台市若林区卸町2-9-1)
参加費 無料
参加定員 25名
4. 行事のプログラム
<目的>
・会社経営を本格的に体験する。
・起業家マインドを育成する。
<タイムスケジュール>
~午前~
09:00~09:30 主催者ご挨拶 & アイスブレーキング・自己紹介
09:30~10:00 会社づくりの説明と役職の説明
10:00~11:00 ・会社設立(会社の条件、市場の大きさ、会社名の決定)
・会社名・役職のプレゼン
11:00~12:00 テーマに基づいて商品デザインを企画
~午後~
12:00~13:00 ランチ
13:00~14:00 事業計画、融資
14:00~15:30 仕入れ、制作、ポスター
15:30~15:50 お店づくり、ポスター張り
15:50~16:10 各社CMタイム (1社1分のプレゼンと商品説明)
16:20~16:40 販売
16:40~17:10 決算・返金
17:10~17:50 振り返りと各社発表(講評5分~10分)、感想(一人一言)
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小学生は5〜4人の5チームに分かれ、各チームにトレーナーがつきます。
トレーナーはチームの一員ですが、子どもたちに気付いてもらうのをサポートします。子どもたちがどうしても行き詰った時や、トラブルがあった時に少しサポートする形です。
直接の答えはあえて教えない難しい役割です。
主催者である仙台市担当者、講師であるINTILAQ東北イノベーションセンター、センター長 佐々木より挨拶の後、アイスブレーキングを兼ねた自己紹介を行います。
みんな最初は緊張しますが、ここでみんなの前で発表する事で、発表後少しホッとした様子も見受けられます。
自己紹介では、一人ひとりが発表し、「人前で話す」ことを緊張しながらも子どもたち全員が挑戦しました。
教材の内容に沿って、会社づくり、役職の説明を行います。
ここでチームごとで話し合い、どのような順番で会社を作り、商売を行うかを考えます。
チームごとに話し合った結果を全体で発表し、なぜこのような順番にしたのかを確認します。
同様に会社における役割も確認します。
チームによってすぐ決まったり、「どうしても社長をやりたい!」と言う子が複数いたり様々ですが、自分たちで話し合って決定していきます。
実際の社会では様々な役職がありますが、このワークショップでは社長・販売マネージャー・宣伝マネージャー・仕入れマネージャー・会計マネージャー・製造マネージャーの6つの役職が与えられ、兼任も含めそれぞれに分担していきます。
社名と役職が決まったら、市場調査をします。
ちなみに今回の商品製作のテーマは「お掃除グッズ」でした。
そのため各社の社名もお掃除にちなんだ名前です。(あとでホワイトボード社名が書いてある写真があります)
お客さんはどんなことに困っていて、どんな商品が会ったらいいなと思っているのか、お父さんお母さんや施設内の大人に聞き取り調査をします。
問屋(材料の仕入先)さんでどのような素材を使って商品を作るか下見をしています。
聞き取りした内容をもとに、どのような商品を作るかイメージを膨らませています。
チームごとに案をまとめます。
事業計画書を作成し、このワークショップの最大の難所、「銀行からの融資を受ける」つまり銀行へお金を借りに行く準備をします。
練りに練ったつもりの事業計画書ですが、銀行の融資担当者からは様々なダメ出しが。
「すでに同じような商品が発売されているのでは?」
「この材料費では想定している機能を実現できない、見通しが甘いのでは?」
「販売個数の想定は適正ですか?」
実際に銀行員役を務めてくださったのは、日本金融政策公庫、七十七銀行で融資担当として働かれている本物の銀行員の方々なんです。
あえての厳しいダメ出しに、「もっと君たちはできる!厳しい意見も言うのは心から成功してほしいからだ!」という熱い思いが垣間見えます。
日本金融政策公庫のみなさま、七十七銀行のみなさま、本当にありがとうございます!
資本を持たないベンチャー企業は、銀行からの融資を受けられなければ事業を先に進めることができません。
機能を削るか、材料の見直しを行うか……悩みに悩んでギリギリの判断で書き直した事業計画書。最終的には、5社すべてが銀行との信頼関係を結び、希望した融資額を受け取ることができました。
融資で得た資金で問屋さんから材料を購入します。
材料を切り、貼り合わせ、組み立てて思い描いた商品を現実に作り出します。
さらに、広告のためのポスター制作と、キャッチコピーや宣伝文句の準備も同時進行。
いよいよラストスパートです!
こちらが5社の売上計画となっています。
広告枠を1社1分ずつ購入して、自社製品の強みをアピールします。
もちろん、広告枠も融資された資金の中から賄っています。
そして、評価の時!
市場に流通するお金を取り合い、声を枯らしての宣伝合戦が繰り広げられます。
関係者、保護者の皆さまにINTILAQ銀行の発行するお金(本物のお金ではありません)をお配りしてお買い物をしてもらいます。
会社経営が成功したか。商品に魅力があったか。判断するのは「市場の原理」です。学校のテストではなかなか測り難い「起業する力」が、試されています。
各社、商品をより多く買ってもらうため、値引きをしたりバラ売りをしたりと様々な工夫もしていました。
どの会社も「いらっしゃいませ~!」と大きな声で販売を行い、他の会社には負けないぞと言わんばかりの盛り上がりでした。
会場の様子です。
商品の販売が終わった後、チームごとに机に戻りお金の計算をします。
中には値下げ合戦の末、それでも在庫が残り赤字になってしまった会社も。
他の会社が借りたお金に利子をつけて返していく隣で、返済できなかった理由を銀行担当者に説明します。悔しい表情…。
みさなん緊張した面持ちです。
「なんて説明しよう・・・」そんな声が聞こえてきそうです。
なぜ失敗したのか、失敗したけどここをこうすればもっとよかった、など様々な思いがあったようです。
各社の最終決算です。
各チームごとに銀行の担当者から講評を頂きます。
会社を経営し、存続していく上で振り返りをすることは最も重要なことです。「なぜ予想売上と差が生じたのか」、「なぜ途中で値上げをしたのか」、「なぜお客さんにはまだお金が残っていたのか」などこの日に起こった疑問点・反省点の振り返りを行いました。
朝の9時から夕方6時まで、盛りだくさんの内容でしたが疲れた顔を見せること無く夢中で取り組んでいた子どもたちのひたむきな表情が印象的でした。さらに自分自身が努力した結果が、自分の利益につながるという社会の仕組みを楽しみながら身をもって体験できたようでした。
小学生・中学生という若い年齢から起業家マインドを学んだ子どもたちが将来の東北、日本を代表する起業家になってくれることを願っています。
INTILAQにお越しいただきました、参加者の皆様、保護者の皆様、主催の仙台市様、ご協力いただいた七十七銀行の皆様、日本政策金融公庫の皆様、ありがとうございました。
参加者だけでなく運営側にとっても学びの多い、素晴らしいワークショップとなりました。
今後もまた「起業体験ワークショップ」が開催されます!興味のある学生の皆様、対象のお子様がいらっしゃる保護者の皆様からのお申し込みをぜひともお待ちしています!
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【各社集合記念写真】
A班 ハート・クリーン・コーポレーション(HCC)
B班 フリーニング
C班 S・K・R 株式会社
D班 スマイルクリーン社
E班 POPクリーンカンパニー