ACTIVITY INTRODUCTION

活動紹介

ACTIVITY INTRODUCTION

活動紹介

〈イベントレポート〉8月9日~8月17日に高校生アントレプレナー養成ゼミを開催しました!

2023年8月9日から8月17日の3日間にて高校生社会課題探究ゼミが開催されました。
このたび、こちらのイベント内容をまとめましたので、雰囲気を感じて頂ければ幸いです。

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イベントレポート
2023年8月9日(水)
14名の高校生の皆さんと共に、今年度も対面での開催をすることが出来ました。
ここで、高校生社会課題探究ゼミについて、概要をご説明します。
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1. イベントの名称
INTILAQ 高校生社会課題探究ゼミ(高校生対象)
~デザイン思考を活用して課題を解決。東北の活性化につなげよう~

2. イベントの趣旨
高校生を対象に、社会起業家との協働作業を通して、東北の活性化につながる社会課題を探究していくゼミ講座です。「デザイン思考」のアプローチを活用し、社会起業家の想いに触れ、「課題の本質に迫る調査」「課題発見」「アイディア出し」「プロトタイプ」「テスト」という5つのプロセスを通じ、地元の社会課題解決を図るための探究型学習を実践します。

3. イベントの概要

主催:
仙台市
みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム(東北大学主幹)
INTILAQ東北イノベーションセンター

後援:
仙台スタートアップ・エコシステム推進協議会
宮城県教育委員会
仙台市教育委員会
全国高校生マイプロジェクト実行委員会
NPO法人まなびのたねネットワーク

実施時間:
1日目 2023年8月  9日(水)10:00~17:00
2日目 2023年8月10日(木)10:00~17:00
3日目 2023年8月17日(木)13:00~17:00

実施会場:
INTILAQ東北イノベーションセンター(仙台市若林区卸町2-9-1)

参加費:無料

参加定員:20名(5名×4グループを想定)

メインファシリテーター:
佐々木 大(INTILAQ東北イノベーションセンターセンター長)

サポートメンター:
伊藤 真結(SIA2019 AKIU SCHOLĒ代表)
木村 一也(SIA2017 株式会社マナライブ 代表取締役)
山田 毅(SIA2018 プラスクロス 代表)

コーディネーター:
高野 圭子(INTILAQ東北イノベーションセンター)

4. 行事のプログラム
Day 1
社会課題解決に取り組む先輩起業家の「本気の思い」、行動を起こしたからこそ生じた失敗談を聞く!
●興味ある社会課題ごとにチーム編成をする!
●自分が「なぜその課題に取り組みたいのか」を深く掘り下げる!
Day 2
●なぜその課題が起きているのか?何が本当の課題なのか?「課題の本質」を徹底的に探る!
●その課題の解決策を社会起業家メンターとともにグループメンバー間で「多角的に」考えてみる!
Day 3
●最終発表と審査員による評価&講評
●今後に向けた振り返りセッション

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高校生は5人の4チームに分かれ、各チームにメンターがつきます。
メンターはチームの一員ですが、生徒たちが主体的に課題を発見し、解決策を考えていけるようサポートします。決して手を出し過ぎることなく、あくまでも生徒たちが自ら課題意識をもった事柄について自分事として取り組んでいけるよう見守る役割をします。
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<Day1  INTRODUCTION&EMPATHIZE & DEFINE(デザイン思考における「共感」~「課題定義」)>

8月9日(水)
10:00~10:43 イントロダクション & アイスブレーキング・自己紹介等
10:43~11:48 社会起業家プレゼンテーション15分×3名
11:48~12:08 「デザイン思考」について学んでみよう
12:08~12:53 昼食休憩
12:53~13:46 フリートークセッション 10分×3回転
13:46~14:01 グループ決め
14:01~16:01 取り組むテーマを決める、課題の深彫り、グループディスカッション
16:01~16:26 アルムナイ発表、イベント発表
16:26~17:00 振り返りと次回への抱負、感想(一人一言)

異なる高校から集まり、生徒たちも緊張する面持ちで、まずはアイスブレイクで緊張をほぐしました。その後講師であるINTILAQ東北イノベーションセンターセンター長 佐々木より挨拶、また仙台市経済局イノベーション推進部スタートアップ支援課創業支援係主事財前様よりご挨拶を頂きました。その後、参加高校生の自己紹介を行いました。

社会課題に取り組む起業家プレゼンテーションでは、3名の起業家から各15分程のプレゼンテーションを行いました。テーマは、教育から福祉の問題、地域の問題まで様々です。

スタディクエスチョンが書かれたプリントが参加高校生に事前に配布され、高校生はメモを取りながら起業家の話に耳を傾けていました。

その後のフリートークセッションでは、各起業家のテーブルを回り、その課題についての質問や疑問を投げかけました。事後アンケートでは、フリートークセッションの時間を短いと感じた高校生もおり、10分間でたくさんのことを感じたようでした。

フリートークセッションの後、お昼休みを挟み、各自の興味関心をベースにしてグループ編成をし、グループ毎の活動が始まると、各グループでなぜこのテーマに興味が有るのか、なぜこのテーマのグループを選んだのか等から話し合いが始まりました。真剣に話合う様子から、いっきに高校生同士の距離も縮まり、社会問題が起こってしまっている背景には何が隠されているのかを考察する課題の深彫りまで、頭を抱えながらも充実した様子でグループディスカッションが行われていました。

また、1日目の最後には、昨年度探究ゼミに参加した高校生が、現在の活動を発表する時間もあり、参加した高校生は最後まで真剣に耳を傾けていました。

最後の振り返りでは、「他校の人と探究する機会が今までなかったので色々話せてすごく楽しかったです。」などの声が多く、普段深く話すことのない高校の生徒と、社会で起きている問題について話をしたことがとても印象的だったようでした。

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<Day2 IDEATION&PROTTYPE(デザイン思考における「アイディア創出」~「プロトタイプ」)>

8月10日(木)
10:00~10:30 チェックイン
10:30~11:00 本質を探る問いを立てる
11:00~12:00 探究課題の本質的な課題に迫る(ヒアリングタイム)
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~14:00 社会課題を定義する
14:00~15:00 課題定義の確認~課題の再定義
15:00~16:35 アイディア出し&プロトタイプ
16:35~17:00 振り返り&次回へ向けて

2日目は1日目のような緊張感はなく、穏やかな空気感でスタートしました。

この日の午前中は、外部の人へのヒアリングを通して、自分たちの思考や経験の中では考えられないような現実や考えに触れました。それぞれの班で1時間程、オンラインでヒアリングを行いました。

ヒアリングの後は、調査した内容を元に改めてグループで向き合う課題に対して議論し、各グループで、「本当の課題は何なのか?」については頭を抱えていましたが、正解のない問いに対して、参加高校生全員が真剣に向き合う様子が伺えました。

課題定義が出来たら、課題を解決するためのアイディア出しを行いました。
まずは質より量を大切にとにかくアイディアを沢山だし、面白いアイディアに各グループから笑い声が響きました。

その後、沢山出たアイディアを、革新性、実現可能性、有用性の3つにグループ分けを行い、出されたアイディアの新結合を考えました。実現可能かどうかが分からない、新結合のプロセスが難しい、という声がありましたが、どのグループもたくさん出たアイディアをもとに、ワクワクしながら課題の解決策を話合っていました。

1日目も2日目も、10時から17時までという長丁場でしたが、最後まで議論の声は絶えず、充実した時間を過ごしていたようでした。最後に次回発表の順番を決め、各グループごと残り1週間の話し合いをして、2日目が終了しました。

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<Day3 PRESENTATION(デザイン思考における「テスト&フィードバック」) >

8月17日(木)
13:00~13:20 チェックイン
13:20~13:50 導入、審査員紹介
13:50~14:30 最終発表&質疑応答(12分×3グループ)
14:30~14:45 休憩
14:45~14:50 結果発表(5分)
14:50~15:02 ゲスト審査員講評
15:02~16:07 振り返り
16:07~16:10 記念撮影・一次解散
16:10~17:00 参加者交流会

3日目はいよいよ最終発表です。イベント自体は13:00からですが、どのグループも予定時刻より早く集まり、発表へ向けて最終確認を行いました。どのグループも、緊張する様子が見られましたが、その中にも、短い期間の中で深く議論を重ねたことで深まった関係性の良さを垣間見ることができました。真剣な表情の中にも、とても楽しそうな様子が印象的でした。

時間ギリギリまで最終打合せを行い、いよいよ最終日の発表会が始まりました。審査員の4名も集まり、生徒たちからはいっきに緊張が高まったことが伝わってきます。発表の前には、審査員の方々から、探究ゼミから繋がる各種大会やイベントについてお話がありました。緊張の中、真剣な表情で耳を傾けていました。

そして、いよいよ発表です。トップバッターは、「自信を持てない日本の高校生」に課題を設定したグループ。課題の設定の為に根拠となるデータを分かり易く提示し、説得力のあるプレゼンテーションでした。また、解決策として施策として作成したカードゲームの実演は、短い時間でもその楽しさが伝わるものとなっていました。

次のグループは、「日本人の幼少期の自己決定の機会と選択肢の少なさ」に課題設定をしたグループ。高校生探究ゼミでは初となる、寸劇を加えたプレゼンテーションに挑戦しました。少ない打合せ時間でも、関係性をぐっと深めたからこそ、グループの生徒全員が自分事で主体的に取り組む様子が伝わってきました。

最後は、「LGBTQ非当事者が、人それぞれ違う個性を理解できていないこと」に課題を設定したグループ。とても難しいテーマに取り組んだこのグループでしたが、誰一人、投げやりにならず、課題の深掘りからアイディア出しまで、本当に真剣に向き合う様子が印象的なグループでした。

どのグループも、短い期間で準備してきたことを出し切れた様子でした。発表が終わり、審査では、課題定義、独創性、社会貢献、実現可能性、プレゼンテーションの5つの観点における審査が行われました。結果は以下の通り。それぞれの観点毎に、良かった点、まだまだ深められる点などが見える化されたことで、結果発表の後の振り返りでは今までで一番有意義な対話の時間になったのではないかと思います。

最後に、発表や全日程を振り返り、グループ毎、そして個人ごとに振り返りの共有をしました。グループでの発表の振り返りでは、審査結果についての質問が高校生から出てくるなど、発表して終わり、ではなく、今後に繋がる時間を高校生自らで創っている様子が印象的でした。


一人一人の振り返りの場面では、初日の不安な状態から、他校の人と一つの社会課題についてここまで深く探究できたことや、普段高校では挑戦しないことに挑戦した等、参加生徒それぞれに、多様な振り返りの声がありました。

プログラム終了後の交流会では、審査員の方に積極的に話しかけたり、グループ毎に連絡先を交換したり、また自分が今行ってる活動についてお互いに伝え合う等、最後の時間を有意義に楽しそうに過ごしていました。

今年は、昨年度から1日減らしてのプログラム日程でしたが、昨年度までと引けを取らない、またはそれ以上に生徒たちの関係性が深まっていたように見えました。社会課題に対して、一人一人が他人事ではなく、主体的に思考し発言する姿がとても印象的でした。高校での総合的な探究の時間がスタートし、社会に目を向ける高校生が増えてきたのも一つの要因かもしれません。

今年の探究ゼミも、短い期間でも、参加高校生がイキイキと学び、確実に変容した姿が見られた素敵な3日間となりました。

若い年齢から起業家マインドを学んだ子どもたちが将来の東北、日本を代表する起業家になってくれることを願っています。
INTILAQにお越しいただきました、参加者の皆様、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
参加者だけでなく運営側にとっても学びの多い、素晴らしいワークショップとなりました。