ACTIVITY INTRODUCTION

活動紹介

ACTIVITY INTRODUCTION

活動紹介

〈イベントレポート〉8月1日~9月12日に高校生アントレプレナー養成ゼミを開催しました!

2021年8月1日から9月12日の4日間に高校生アントレプレナー養成ゼミが開催されました。
このたび、こちらのイベント内容をまとめましたので、雰囲気を感じて頂ければ幸いです。

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イベントレポート
2021年8月1日(日)
コロナウイルス感染拡大でリアル開催が懸念されましたが、感染症対策をしっかり行い、今年度はリアルでの開催をすることが出来ました。
今回は11名の高校生のみなさんが参加してくれました。
ここで、高校生アントレプレナー養成ゼミについて、概要をご説明します。

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1. イベントの名称
高校生アントレプレナー養成ゼミ(高校生対象)

2. イベントの趣旨
生徒たちがチームに分かれ、彼等の関心のある社会課題について、何が本当の課題なのかを徹底的にディスカッションし、その課題の本質に迫る。現場の聞き取り調査やデータ収集等を行いながら、メンターと共にその課題の解決策を「多角的に」考え、事業プランまで落とし込み、最終日にプレゼンテーションを行う。

3. イベントの概要
企画運営:
仙台市
一般社団法人IMPACT Foundation Japan (INTILAQ東北イノベーションセンター)

後援:
東北経済産業局
仙台市教育委員会
日本政策金融公庫
全国高校生マイプロジェクト実行委員会
特定非営利活動法人まなびのたねネットワーク

実施時間:
1日目 2021年8月01日(日)
2日目 2021年8月15日(日)
3日目 2021年9月05日(日)
4日目 2021年9月12日(日)
各日13:00~17:00
実施会場 INTILAQ東北イノベーションセンター(仙台市若林区卸町2-9-1)
参加費   無料
参加定員  20名

メインファシリテーター:佐々木 大(INTILAQ東北イノベーションセンター)
サブファシリテーター:伊藤 真結(SIA2019,AKIU SCHOLĒ)
グループメンター:伊藤 真結(SIA2019,AKIU SCHOLĒ)
木村 一也(SIA2017, あわえ)
山田 毅(SIA2018,プロスクロス)
高野 圭子(INTILAQ東北イノベーションセンター)

4. 行事のプログラム
<目的>
・「自分を変えたい!」と思っている高校生を対象に、実体験を通じてビジネスプランの構築を学んでもらう。
・東北に多くの起業家人材(チャレンジャー)を生み出す。
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高校生は3人の3チームに分かれ、各チームにメンターがつきます。
メンターはチームの一員ですが、生徒たちが主体的に課題を発見し、解決策を考えていけるようサポートします。決して手を出し過ぎることなく、あくまでも生徒たちが自ら課題意識をもった事柄について自分事として取り組んでいけるよう見守る役割をします。
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<Day1  INTRODUCTION>

8月1日(日)
13:00~13:30 イントロダクション & アイスブレーキング・自己紹介等
13:30~14:30 先輩起業家プレゼンテーション&ディスカッション
「一般社団法人東北風土マラソン&フェスティバル 代表理事 竹川 隆司 氏」
14:30~14:40 休憩
14:40~15:40 フリートークセッション
15:40~15:45 休憩
16:00~16:40 グループディスカッション
16:40~17:00 振り返りと次回への抱負、感想(一人一言)

初対面で、生徒たちも緊張する中、アイスブレイクで緊張をほぐし、その後講師であるINTILAQ東北イノベーションセンター センター長 佐々木より挨拶、後援者である仙台市担当者挨拶の後、参加高校生の自己紹介を行います。

既に解決したい社会課題がある生徒も居れば、そうでない生徒もおり様々でしたが、緊張する中、しっかり自己紹介を行っていました。
先輩起業家によるプレゼンテーション&ディスカッションでは、それぞれがメモを取りながら参加していました。質疑応答の際には、生徒自ら手が挙がり、積極的な姿勢がみられました。
「東北風土マラソン」というテーマについても、「資金繰りはどうしているのか」のような質問も飛び出し、活発にディスカッションがありました。
登壇者から投げかけられた問いには、緊張の中、高校生なりに自分の言葉で返答していました。そこでは最後に、「コロナ後どう対策していけばいいか」というものもあり、今まさに、社会課題として浮かび上がるものについても登壇者と共に考察する時間になりました。

その後のフリートークセッションでは、参加者9名のお互いの関心事や、課題に感じている事柄を共有し、自分が課題に感じている分野だけでなく、視野を拡げることの出来るセッションとなったようです。「視野が広がった」「普段聞けない話を聞けた」等、同世代との対話を重ねることで、自分の理解の浅さや、知識不足も感じたようでした。

フリートークセッションを元にグループ編成をし、グループ毎の活動が始まると、リーダー決めや日程決めは各グループスムーズに決まったようでした。今回のプログラムは、テーマ設定をじっくり行えるよう日程を決めた為、グループディスカッションでは、各チームのテーマに縛られず自由で活発なディスカッションが行われました。

お互い知る時間をしっかりとることが出来、Day1は終了です。

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<Day2 EMPATHIZE & DEFINE(デザイン思考における「共感」~「課題定義」)>

8月15日(日)
13:00~13:15 イントロダクション & アイスブレーキング・自己紹介等
13:15~14:15 先輩起業家プレゼンテーション&ディスカッション
AKIU SCHOLĒ 代表 伊藤 真結 氏
14:15~14:25 休憩
14:25~15:25 「デザイン思考」について学んでみよう
15:25~16:05 「自分を掘り下げ見つめ直すワーク」
16:05~16:15 休憩
16:15~16:20 フィールドワークについて
16:20~16:50グループワーク「お互いの関心テーマを掘り下げてみよう」(30分)
16:50~17:00振り返りと次回への抱負、感想(一人一言)

二日目は、新しいメンバーを2名迎えて行われました。
最初の15分間で、改めて自己紹介を行いました。
久しぶりの再会で、1日目よりはだいぶ緊張もほぐれている様子でした。

先輩起業家によるプレゼンテーション&ディスカッションでは、1日目と同様、それぞれがメモを取りながら参加していました。教育という身近なテーマであっても、そんな風に悩んでいる人が居るなんて知らなかった等、知らないことにも触れられた、新しいことを知ることが出来た、という声がありました。また、高校生の等身大の悩みであったり、その解決方法についてのディスカッションにも積極的に参加し、それぞれの声を聞かせてくれました。

次に、デザイン思考のワークショップでは、これまでの自分の人生の感情曲線を描き、それぞれが自分の人生を振り返りました。浮き沈みの激しい曲線を描く生徒も居れば、マイナスはないという曲線を描いた生徒も居ました。ただ、ほとんど全員が、ペンを止めることなく、ワークに参加していました。

ペアワークでも、観察とインタビューでは、積極的に相手へ質問し、相手の感情曲線に「共感」をしながら対話をしていました。全く違う興味の人への質問をするというのは、大人でも難しいですが、高校生なりに言葉を選び、前向きに取り組んでいました。


課題テーマを深堀する時には、相手の表情から、「この話をしている時に、イキイキしていた!」や、「この話題になって、すごく真剣に話をしてくれた」等、相手を観察しながら、デザイン思考ワークショップにおいて大事なポイントである相手のインサイト(本音)に寄り添うということを、積極的に行っていました。
全員がその姿勢で取り組んだことにより、最後の振り返りでは、「自分では気付かないことを話してくれた。」「自分は実はこうなんだと気付かされた」などの声が多く聞かれました。
終了してからも、チームによってはディスカッションをし、チームテーマの深掘りへと一生懸命に取り組んでいました。まる4時間を使うワークショップではあるものの、事後アンケートからは、「時間が短かった」という意見まで出てくるほど、積極的に取り組んでいました。
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<Day3 IDEATION&PROTTYPE(デザイン思考における「アイディア創出」~「プロトタイプ」)>

9月5日(日)
13:00~13:15 チェックイン
13:15~14:15 先輩起業家プレゼンテーション&ディスカッション
「MARUMORI-SAUNA株式会社 代表メンバー 本多 智訓 氏」
14:15~14:25 休憩
14:25~15:05 アイディア出し
15:05~16:45 プロトタイプ&プレゼン準備
16:45~17:00 振り返りと次回への抱負、感想(一人一言)
宮城県の緊急事態宣言発令の為、集まっての開催は断念し、オンラインで開催しました。
チェックインでは、参加高校生からも、「オンラインで制限がある」ことへの残念だという言葉もありましたが、同時に、「その中でも良い時間にしたい」という前向きな言葉も聞くことが出来ました。
3日目の起業家プレゼンテーションでは、MARUMORI-SAUNA株式会社代表メンバーの本多智訓さんのお話を聞きました。3日目のプログラムは、アイディア出しということもあり、「サウナ」というアイディアによって、地元の人々が持続可能は価値創出をしていく挑戦への楽しさや苦悩を共有して頂きました。高校生の中にも、「サウナ」が好きな生徒もおり、オンラインでも興味津々にプレゼンテーションを聞いている様子でした。


プレゼンテーションの後のディスカッションでは、やはり多くの高校生が、「サウナ」というアイディアへの驚きや興味を口にしていました。プレゼンターの本多さんからの「10代の人が、非日常・自然の中に行きたくなるのはどんなときか?」という質問では、10代の彼らにとっては、ストレスを感じた時に非日常や自然の中に行きたくなるという声がありました。また、「日常の中で自然を感じる時はあるか?それはどんな時か?」という質問では、高校の周りにある自然を感じたりする高校生が多いようでした。

最後の感想では、マルモリサウナのインスタグラムを見た高校生から、10代ならではの意見が飛び交ったり、高校生が丸森へ行く為の要望などが出て、とても活発なディスカッションとなりました。

次に、デザイン思考におけるアイディア出しセッションを行いました。
ここからは、それぞれのチームが定めた課題へ対しての解決策を探っていきます。


まずは、自由にアイディア出しをし、次にそのアイディアを、「有用性」「実用性」「革新性」の3グループに分けていきます。リモートで、最初こそ意見が出にくかったものの、だんだんと慣れてきて、どのグループも色んな意見が出ていました。
最後に出したアイディアをまとめ、各グループ毎に発表へ向けてそれぞれ話し合いました。
振り返りの際は、グループ毎に進捗の差があり、だいぶ疲れ切った表情をしている生徒も居ましたが、それも真剣に取り組んでいるからこそだと感じました。


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<Day4 PRESENTATION(デザイン思考における「テスト&フィードバック」)>

9月12日(日)
13:00~13:20 チェックイン
13:20~14:20 社会起業家プレゼンテーション&ディスカッション
特定非営利活動法人 アスヘノキボウ 代表理事 小松 洋介 氏
14:20~14:30 休憩
14:30~14:40 審査員紹介
14:40~15:16 最終発表&質疑応答(12分×3グループ)
15:16~15:26 休憩
15:26~15:31 結果発表(5分)
15:31~15:43 ゲスト審査員講評
15:43~15:58 高校生マイプロジェクトアワード&高校生ビジネスグランプリ紹介
15:58~16:18 参加高校生&メンター振り返り
16:18~17:00 参加者交流会

最終日は午後1時からの開始でしたが、すべてのグループが午前中からオンライン上で集まり、プレゼンテーションの練習をしていました。3日目からとてもタイトな日程の中、どのグループもギリギリまで意見を出し合い、発表へ向けての準備をしました。


先輩起業家からのプレゼンテーションでは、「課題の本質は何か?」ということを、高校生それぞれが考えさせられるものだったようです。また、「宮城県女川町」の課題解決が、決して女川だけの問題でなく、世界の問題を解決する可能性がある、というお話から、どんな小さな社会課題であっても、その解決策は色んなところに転用できるということを学ぶ機会にもなりました。
高校生からの感想の中には、
「「グローバル」と「ローカル」は相反するものだと思っていたが、そうではないと気付いた」という感想が寄せられました。また、積極的に質問も出て、「グローカルというのは起業で大事な視点であるのか?」というものや、「学校で学んだ“ユニコーン企業”は、女川から生まれるのか?」という、アントレプレナー養成ゼミ4日間の中で、成長を感じさせれる質問も飛び交いました。


先輩起業家プレゼンテーションの後は、いよいよ最終発表です。表情の硬い生徒たちでしたが、各グループそれぞれ個性的な、そして真剣なプレゼンテーションでした。
環境をテーマにしたチームでは、海洋プラスチックの問題の解決に迫りました。
この短い期間で、プレゼン資料の丁寧さや発表の落ち着きがあり、たくさん準備してきたことが伝わる発表でした。
次に続く他のメンバーも真剣な表情で発表を聞いておりましたが、終了後話を聞くと、素晴らしい発表に、自分のチームの発表への不安を募らせた生徒も居たようでした。
次に福祉チーム、教育チームと続きます。それぞれ、大きく難しい課題に対して、「法律」を切り口に解決策を考えたり、また、ヒアリングを通して実際に困っている人の声を聞く等、短い時間でも、それぞれが工夫してたくさんの情報収集を行い考え抜いてきたことが感じられる発表でした。


発表が終わり、結果発表では、点数や順位がつきましたが、それぞれそのフィードバックをネガティブなものとは捉えず、前向きな声がたくさん聞くことが出来ました。
また、今年初めて参加して下さったグラフィックレコーディングをして下さる方々にそれぞれの発表をまとめてもらい、参加生徒たちにとって良い経験になりました。

 
最後に、参加高校生から一人一言の感想をもらいました。中には、「周りの人から勧められて参加したが、本当に楽しかった」というものや、「自分の為、という視点だけでなく、社会の為という視点を持つことが出来た」というもの、「同じ高校生がこんなに考え行動していることが刺激になった」というものがありました。
若い年齢から起業家マインドを学んだ子どもたちが将来の東北、日本を代表する起業家になってくれることを願っています。
INTILAQにお越しいただきました、参加者の皆様、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
参加者だけでなく運営側にとっても学びの多い、素晴らしいワークショップとなりました。