社会課題の解決に向けて、さまざまな挑戦を行っているゲストを、日本・世界からお招きしてお話しを伺う、東北ソーシャルイノベーション・ナイト。
2023年度2回目となる今回は、サキュラーエコノミー先進地であるオランダアムステルダムのアムステルダム大学にて開講される「The Circular City: Towards a Sustainable Urban Ecosystem」に参加された3名のゲスト(矢野さん、瀬沢さん、蓑輪さん)と東北にて独自の循環型な生活・仕事を追求している一般社団法人はまのね代表理事の亀山貴一さんをゲストにお迎えし開催しました。
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<ゲスト>
矢野方樹さん(アムステルダム在住)
株式会社環境エネルギー投資 ベンチャー・パートナー
モルガン・スタンレーの東京オフィスにて株式資本市場部長/マネージング・ディレクターとしてスタートアップを含む国内外のIPO並びに各種のエクイティ・ファイナンス調達業務に従事した後、2018年に東南アジアおよび日本でスタートアップ投資活動を展開するリープラに参画し、シンガポールに移住。CFOおよび投資委員会のメンバーとして、投資先の投資選定、支援業務に従事。2023年6月にオランダに移住し、サステナビリティ分野での活動に専念。環境エネルギー投資に参画し、海外投資および各種情報収集を担当。投資先のIPO支援にも従事。
瀬沢正人さん(アムステルダム在住)
ハーチ株式会社
前職では日系メーカーにて国内外のデジタルマーケティング推進、海外営業を担当。デンマークで映像制作とサステナビリティについて学び、現地の社会課題を取材した作品がきっかけとなり、IDEAS FOR GOODにジョイン。クリエイティブのディレクションと制作を担当。
蓑輪光浩さん(東京在住)
オールバーズ合同会社 マネージング ディレクター
1997年NIKE JAPAN入社。ワールドカップ、箱根駅伝、NIKEiDをはじめとしたマーケティングに携わる。2008年にNIKE EUROPE赴任。2011年よりユニクロにて、錦織圭らトップアスリート契約、PR広告戦略、商品開発に携わる。2016年よりレッドブルジャパンにてフィールド・マーケティングを統括。2018年にビル&メリンダ・ゲイツ財団 東京オリンピック プロジェクトマネージャー就任。2019年オールバーズ入社、2023年より日本総括マネージング ディレクターに就任。2022年Campaign Asiaにおいて、最も影響力のあるTOP50マーケターに選出。
亀山貴一さん
一般社団法人はまのね 代表理事 / 小漁師
石巻市蛤浜で生まれ育ち、宮城県水産高校の教師となる。震災によって壊滅的な被害を受けた蛤浜を再生するため、2012年3月に蛤浜再生プロジェクトを立ち上げる。2013年3月に退職し、cafeはまぐり堂をオープン。2014年4月に一般社団法人はまのねを立ち上げ、牡鹿半島の持続可能な集落づくりを目的としてはまぐり堂を中心にマリンアクティビティー、漁業・林業・狩猟の6次産業化や体験・学びの場づくりに取り組んでいる。
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<講演「世界のサーキュラーエコノミー先進地アムステルダムから学ぶ」>
講演では、アムステルダム大学にて開講され世界10ヶ国以上からサーキュラーエコノミーの本質と実践を学びに学生、社会人や官僚、NPOのリーダーたちが参加をしている「The Circular City: Towards a Sustainable Urban Ecosystem」に参加された3名のゲスト(矢野さん、瀬沢さん、蓑輪さん)よりそれぞれプログラムの様子やプログラムを通じた学び、個人や社会がサーキュラーエコノミー実現に向けてできることなどについてお話しいただきました。
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<トークセッション「東北は世界から何を学び、何を発信できるのか?」>
その後のトークセッションでは、冒頭、東北を代表して独自の循環型な生活・仕事を追求している一般社団法人はまのね 代表理事の亀山貴一さんにご登壇いただき、ご自身やチームでの実例についてご紹介いただきました。
その後、前半の講演に登壇された矢野さん、瀬沢さん、蓑輪さんも交え行なわれたトークセッションでは、
・オランダから見た日本の取り組み/日本から見たオランダの取り組み
・サーキュラーエコノミー実現に向けた環境と経済との両立のあり方とは?
・東北は世界から何を学び、何を発信できるのか?
などの問いを切り口に世界の潮流と東北ローカルでの活動の接点や特徴を整理しつつ、今後どんな未来を目指すべきなのかについて考えていきました。
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<編集後記>
サーキュラーエコノミーの理論やオランダアムステルダムにおける具体的な実践事例など世界の先端を覗くことができた時間でしたが、中でも印象に残ったのが、トークセッションの中で出た「すでに東北でもサーキュラーな暮らしが実現できているのでは?」という指摘です。
環境、ジェンダー、経済など欧米の先進事例や政策を輸入して実装するケースがままあるように感じますが、目の前の地域に目を向けてみること、歴史・文化に尋ねてみることからも学べることが多くあるのではないかと。
―仙台・東北発のサーキュラーエコノミーモデルの構築を。